弁護士向け研修動画の収録をしてきました

昨日、交通事故賠償に関する弁護士向け研修動画(メディカルリサーチ株式会社と弁護士ドットコム株式会社の共同開催)の収録をしてきました。

タイトルは「後遺障害認定と画像診断~等級認定における注意点~」です。

交通事故賠償において後遺症が残った場合、どの程度の等級が認定されるかという点は極めて重要です。画像所見と自覚症状その他を結び付け、どのように立証すべきかという点についてお話しました。

講演についてはある程度慣れているのですが、収録は初めてだったので緊張しました。

聴講者が少なく、カメラを向いて講演するのは難しいですね(反応がわからないので)。

本ブログについての用語解説

後遺障害

後遺症のうち、治療を続けても症状が良くも悪くもならない状態に達したあとに、等級として認定された障害のことをいいます。

等級認定

第1級から第14級まで定められている障害です。
個別の内容は国土交通省のサイトをご確認下さい。

参考:国土交通省サイト 後遺障害等級

本ブログに関連する質問と回答・解説

Q. 頚椎捻挫・腰椎捻挫で画像所見がなくても後遺障害14級が認められることはありますか。

A. あります。

Q. 頚椎捻挫・腰椎根座では画像所見があれば後遺障害等級14級は認められますか。

A. 画像所見があったとしても後遺障害等級は認められないことがあります。後遺障害が認定されるためには、通院回数、症状の一貫性などの要素も重要となってきます。

Q. 元々あった変性所見でも後遺障害認定に際して参考になりますか。

A. 元々あった変性所見であったとしても後遺障害認定に際して参考となります。元々あった変性所見と事故による影響が合わさったということであれば、後遺障害が認定される可能性はあります。

Q. 後遺障害診断書を患者が持ってきました。後遺障害はないと思うので拒否することはできますか。

A. 拒否することは不可能ではないかもしれませんがお勧めしません。過去の治療経緯や現在の状況を事実ありのままに記載することをお勧めします。

Q. 頚椎捻挫の事故の患者がMRI検査をしたいと希望してきました。あまりやっても意味がないような気がするのですが紹介状作成を拒否してもよいですか。

A. 最終的には医師の判断となりますので拒否は可能です。ただし、MRI検査における異常の有無が後遺障害認定に際して1つの要素となります。客観的に物事を明らかにするためには、MRI検査の実施がよいかもしれません。

Q. 交通事故の等級認定は誰がしますか。

A. 交通事故の場合、自賠責調査事務所が行います。加害者の保険会社経由で依頼をする方法と患者自ら自賠責保険会社に請求をする方法があります。

Q. 交通事故の等級認定に納得できない場合どうすればよいですか。

A. 異議申立が可能です。自賠責調査事務所が再度審査する異議申立、自賠責保険・共済紛争処理機構が審査する異議申立があります。最終的には裁判所で決着をつけるという方法もあります。

以上

文責:弁護士 川﨑翔