三重大病院に個別指導

三重大病院での診療報酬不正請求事件について、厚生労働省東海北陸厚生局が17日、同病院へ個別指導に入ったとのニュースがありました。

三重大病院に個別指導 カルテ改ざんで厚労省

  • 医師が記録を改ざんし、手術で投与されていない薬剤の費用が不正に請求されていた。
  • 改ざんされた疑いがある件数は症例数約2200症例。
  • 不正が疑われる当該薬剤の請求総額は2800万円。

との報告がされていた件です。

発覚したのが、昨年の9月ですから、半年たってようやく厚生局が動き出したということになります(厚生局側としては、刑事事件の動向を見守っていたということなのでしょう。)。

第三者委員会の報告書公表とあわせ、透明性確保のための措置がとられるべきだと思います。

本ブログについての用語解説

第三者委員会

何らかの問題が発生した際、当事者以外の外部の専門家により、危機管理体制の再構築を迅速、確実に行うなどの目的で問題を検証する委員会のことです。弁護士などが委員会の委員となることが多いです。

厚生局

厚生労働省の地方支分部局のことです。

本ブログに関連する質問と回答・解説

Q. 第三者委員会の委員はどのような人がなりますか。

A. 弁護士、公認会計士などがなることが多いです。弁護士がなる場合、検事の経験がある弁護士がなることもあります。

Q. 第三者委員会の委員に費用を支払うのは誰ですか。

A. 依頼をした会社(病院が依頼をした場合には病院)が支払うことが一般的です。

Q. 第三者委員会には一定のルールがありますか。

A. 第三者委員会には、企業等不祥事における第三者委員会ガイドラインという日本弁護士連合会が作成したガイドラインがあります。
第三者委員会の活動についての指針、第三者委員会の独立性・中立性についての指針、企業等の協力についての指針、公的機関とのコミュニケーションに関する指針、委員等についての指針などが定められています。

参考:日本弁護士連合会 企業不祥事における第三者委員会ガイドライン

Q. 第三者委員会の報告書を評価する方法はありますか。

A. 第三者委員会報告書格付け委員会という委員会などがあります。弁護士等が第三者委員会の格付けを行っています。

参考:第三者委員会報告書格付け委員会

参考:第三者委員会ドットコム

Q. 第三者委員会にはどのような問題がありますか。

A. 第三者委員会が依頼をした会社・病院側の意見に寄ってしまい、公平ではないのではという問題があります。

Q. 患者からの申告により不正請求が発覚することは多いですか。

A. 一定の割合であります。各地方公共団体では、不正が疑われる場合には、患者から地方公共団体への申告があった場合、調査が行われることがあります。

参考:千葉県 不正請求等が行われた場合の取扱いについて|医療保険Q&A

Q. 不正請求の行政処分はどのようになりますか。

A. 関東信越厚生局その他厚生局のWEBサイトには、不正請求事案の結果が公表されています。

参考:関東信越厚生局 保険医療機関等、訪問看護ステーション及び柔道整復師等において不正請求等が行われた場合の取扱いについて

以上

文責:弁護士 川﨑翔